第7章 動き始めた時間
あの日のキスから1ヶ月…
大倉さんは暇さえあれば
我が家にごはんを食べに来て
お腹がいっぱいになると
”また来るわ"
そう笑顔で言い我が家を後にする…
あの日以来
手を繋ぐことも
キス…をすることなく
淡々と食事を提供し続ける自分に
あなたは大倉さんのお母さんですか…?
そう問いかけたくなるけれど…
くだらない話をしながら
2人で食べるごはんは
1人で食べるごはんより美味しくて
大倉さんが笑ってて
それを見てる自分も笑ってて
だったらもう
それだけでいいや笑
なんて悟りの境地に行きかけている私は
この先いつか
大倉さんの特別な人に
なれたりするんだろうか…?