第6章 君を守る盾
ひなこside
仕事から帰り
冷蔵庫を開くとそこには
前日の夜に作り置きしておいた
餃子が並んでいて
それを冷蔵庫から取り出して
フライパンに並べる…
ジュージューと餃子が焼ける音と
いい匂いが部屋中に広がって
焼きあがった餃子を
上手にお皿にひっくり返し
ビールを片手にいざお口の中へ
ダイブさせようとした瞬間
絶妙のタイミングで
“ピンポーン“
なんてインターホンのなる音がして
もう少しでお口に入るはずだった
餃子を名残惜しくもお皿に戻し
とぼとぼと玄関に歩いて行くと
とびらの向こうから
『ひーなこー?」
と私の名前を呼ぶ
聴き慣れた声が聞こえてくる。
慌ててとびらを開くとそこには
もう二度と会えないと思っていた
大倉様が立っていて
わけが分からず
扉の前に立ち尽くす私の腕を
大倉様が掴んで
中に入り扉を閉めた瞬間
「あー、お腹ペコペコや笑」
そんな言葉と一緒に
私の体は大倉様の大きな腕に
抱きしめられた…