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俺様主君といたずらな恋

第1章 始まりの日


「あ…あ…あの…ありがとうございます。

私あの…スマホ落としちゃったみたいで

今お持ちのそのスマホ私のです」


息つく暇もなく

早口にそう話す女の子の声は


慌てているようで

でもどこか少しほっとしているようで



電話の相手が

ものすごく悪いやつとかやったら

どないすんねん!


なんて

突っ込みを入れたくなる…笑


そんなことを俺が考えているなんて

知らないその子は

「今から取りに行きたいんですけど

今どこにいらっしゃいますか?」


と言葉を続ける…


「あー、今は〇〇っていう公園に…」


そんな俺の言葉を最後まで聞かず


「やっぱりそこだ。

朝散歩に行った時にベンチに座って

たぶんそこで落としちゃったんですね笑

ありがとうございます。

今から取りに行くんで

そこに置いておいてください」


そう早口に言うと

俺の返事も聞かず電話は切れてしまって…



慌ただしくも


また静かになった公園の中


俺は手にしたスマホを握りしめたまま




本来の目的の光合成を続けるべく

ゆっくりとまぶたを閉じた…
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