第4章 おもちゃがおもちゃでなくなる日
この夢を見た朝は必ず
吐き気を催すほどの頭痛に襲われる…
トイレに駆けこみ
胃の内容物を全て吐き出して
痛み止の薬を飲んで
もう一度ベッドに潜り込み
腕を伸ばし
ベッドの側の引き出しを開けると
買ってから一度も開けることのないままの
小さな箱が一つ転がっていて
その小さな箱の存在を確認し
またそれを暗い引き出しの中に
閉じ込める
しばらく見ることのなかった
この夢を見たのは
昨日の丸との会話のせいやと
分かってる…
もう二度と傷付くことはないと
必死に心を閉しても
それはほんの小さな隙間から入り込み
どうしようもなく俺を苦しめる…
だからもういらん
こんな風になるぐらいなら
もう誰も好きにならへん
傷付くんも
傷付けられるんも
もうたくさんやから
もう誰にも傷付けられへんように
自分を守るために
俺が傷付ける側になる
そう決めたんや…