第4章 おもちゃがおもちゃでなくなる日
俺には当時
心から愛している彼女がいた
彼女のためなら
なんだって出来る…
今思えば馬鹿みたいにやけど
そんなことを思ってしまうほどに
愛している彼女が…
「遅いわ、かなさん笑」
そう言って笑う俺に
「遅くなってごめんね…?」
彼女は笑顔でそう言う
そしてアホな俺は…
「今日はかなさんの誕生日やから俺
プランいろいろ考えてて…」
いつもと違う彼女の表情も
見抜けず馬鹿みたいに浮かれてて
次に放たれる
「ごめんね…大倉くん笑
私と別れてくれる?」
そんな彼女の笑顔の言葉に
地獄へと真っ逆さまに落とされるんや…
突然の彼女の言葉に
「え…?な、何言うてんの…?
だって今日はかなさんの誕生日で…
だから俺プレゼントだって用意して…」
なんて
情けなくも俺は
彼女にすがろうと必死で…
そんな俺にも彼女は
笑顔を崩ず
ゆっくりと顔を近づけて
「ごめんね…?
私結婚することにしたの笑
だからもう大倉くんとは遊べないんだ。
今まですごく楽しかったよ?
ありがとうね?」
そう耳もとで囁き
地面に崩れ落ちた俺を
振り返りもせず彼女は
俺の元を去っていく…
これが俺の
変えたいのに決して変えられない
悪夢の結末…
そしてもう二度と
誰かを愛したりせえへんと誓った
瞬間なんや…