第3章 新しいおもちゃ
期待を裏切ることなくそこに現れた大倉様は
「こんなとこでひなこと会えるなんて、
運命?」
なんて真顔で言ったかと思うと
「だから…
そんなわけないじゃないですか…汗?」
そう言って慌てる私を見て
楽しそうに声を上げて笑って
「あー、やっぱりひなこは
おもしろいなぁ?」
なんて涙目で私の頭をまたクシャクシャと
かき回す…
大倉様になんのためらいもなく
触れられる自分が
なんだか少し腹立たしくて
「もう…それやめてくださいよ。
この後私がデートとかだったら
どうするんですか…!?」
そう腹立ち紛れに言うと…
頭をグシャグシャにしていた手を
ピタリを止めて
「デート…?」
なんて…
大倉様は予想外に沈んだ声を出す…
だからあわてて
「いや…だから…例えばですよ…!?
私は全然もてませんから…
だから今日だって
今から家に帰って一人ごはんですからね…笑」
そう…
私が言った瞬間
大倉様がにやりと笑う顔を見て
私は自分が今
まんまと大倉様の作成に
引っかかってしまったことに
気付かされたんだ…涙