第3章 新しいおもちゃ
「もしもしひなこ?」
そう…
電話越しに私の名前を呼ぶ声は
間違いなく
昨日に置いて来たはずの非日常で
なぜその声が電話越しに聞こえてくるのか
理解出来ずにいる私に
「聞こえてる?」
そう問いかけてくる…
訳もわからないまま
「聞こえ…てはいるんですか…
なんでこの番号を…?」
そう言った私に
「昨日ひなこにスマホ返す前に
番号交換しといたんやんか笑
そんなんはどうでもええんやけど
今週の日曜日ひなこ暇?
ていうか忙しくても予定開けといてな?
俺と遊びに行くから笑」
なんて
さらに意味の分からない言葉を
続ける非日常に
「あの…意味不明なんですけど
どうして私とあなたが一緒に
遊ぶんでしょうか…?
だって私とあなたは昨日あったばっかりで
たいして知り合いでも…」
そう勢いよく反論した言葉は
プツリと途中で遮られ
電話の向こうからは
静寂のみが返ってきて…
「嘘でしょ…笑?
言いたいことだけ言って切りやがった…」
そう力なく呟く私の声だけが
部屋の中に響いた…涙