第3章 新しいおもちゃ
ひなこside
昨日起きたこと全てが嘘だっかのように
今日の朝目が覚めた瞬間から
私の日常は
何の代わり映えもなく過ぎて行って
仕事を終えて家に帰り
お風呂上がりに缶チューハイを
飲んでいる今こそが
平凡で普通な私の日常で
きっとあれは1日限りの夢だったんだ
そうしみじみと実感していると
テーブルの上で
スマホは小さく震えて
見覚えのない"大倉様“の文字を
映し出す…
震える手でスマホに手を伸ばし
恐る恐る耳に近づけた瞬間
そこから聞こえた
聞こえるはずのないその声が
私に戻って来たはずの日常を
またあっさりと
いとも簡単にありえない非日常へと
変えてしまったんだ…涙