• テキストサイズ

暁の契りと桃色の在り処 外伝 【イケメン戦国】

第13章 嫉妬渦巻く仮装の宴 後編


『光秀殿、以前話していた火薬の配合を新しくしてみたのですが。』

『あ、はい。火薬の配合、ですか。』

『あ、はい…。え、三成殿?』

『今日は私が光秀様の羽織を着ていまして、光秀様は家康様の羽織です。』

『は?』

『先ほどまで、光秀様と一緒でしたが。私で何か力になれますか?』

『あ、はい。火縄の導火線に工夫をしてみたくて。』

『ほう。では、書庫に火縄銃の書物があったはず。見てみましょう。』

『本当ですか?宜しくお願い致します!』



『…なぁ、光秀様は何故書庫におられる?あの方が書物を読み漁るなど…』

『おいっ、光秀様は書庫におられるのか?』

『あ、久兵衛殿。ええ、先ほど書庫に入られましたぞ?』

『至急報告したいことがあって探していた!
助かった、かたじけない!』

『あ、あぁ。』

『え、あれは、光秀殿の羽織を着た三成殿だったぞ?』

『えっ!久兵衛殿!…いない。』



『殿!西からの斥候が戻り至急報告が!』

『…。』

『と、殿?』

『…。』

『殿!』久兵衛が揺さぶる。

『あ、はい。おや、久兵衛様。お久しぶりですね。』

『え、あ、はい。三成殿。お久しぶりです。
…って、ん?三成殿?』

『あ、今日は私が光秀様の羽織を着ていまして。』

『はぁ。』

『光秀様は、家康様の羽織を着ていらっしゃいます。』

『え?…先ほど家康様とすれ違いました…』

『あぁ、その方ですよ!』

『わが主の気配すらなかったが…。これは、長らくお仕えしている身であるが、わからなんだ。』

『久兵衛様?』

『あ、はい。家康殿の羽織を探します!』

『えぇ、お願いします。』

久兵衛は冷や汗をかきながら走りだし、見つけた黄色の羽織の光秀に嫌みを言われるのであった。




【治水工事の現場】

『秀吉様と三成様?』

『あ、いや、俺だ!』

『政宗様?!なぜ、秀吉様の羽織を?…あぁ!家康様。三成様の羽織?』

『あぁ、まぁ、今日は全員が羽織の交換してるんだ。なっ、みつやす。』

『…。』

『み、つ、や、す!』

政宗が家康の肩を抱く。

『…はい。』

『進行状況はどうだ?』

『はい、上流は土に石や岩が混じり扱いにくく時間がかかっています。』

『そうか。じゃあ人足が増えないか聞いておく。』



/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp