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暁の契りと桃色の在り処 外伝 【イケメン戦国】

第11章 同じ釜の飯を


『これから仕入れにいくぞ。』

「え、今から?軍議は?」

『終わった。秀吉が光秀たちを追いかけていってるうちに行くぞ。』

「は、はい。じゃあ、明日よろしくお願いいします!」

『ふっ、頼んだぞ。』

『は、はい!』

信長が差し出した手を握り、二人は繋いだ手を揺らしながら城下に向かった。





『いつもの茶屋にするか?』

「そうですねぇ。」

賑わいのある城下。城主と奥方の姿に驚く町人たち。
しかし、その仲睦まじい姿は、次第に溶け込み、周りも受け入れ始める。

「こんにちは。」

『おや、
あさひ様、…っと、のぶっ!信長様!』

『いつも世話になっている。』

「明日、城で秀吉さん達皆と食べる甘味を選びに来たんです。」

『…ほぅ、皆様で。では、秋に向けての新しい甘味などいかがでしょう?』

そういうと、主人は指示をだす。
すぐに、皿に乗った栗饅頭と紅葉の形の練りきりが出された。

「わぁ!美味しそう。」

『どうぞ。』

あさひは栗饅頭を手に取り、半分に割って信長に渡す。主人は、その姿に目を丸くした。

「栗がごろごろ!」

『うまいな。甘過ぎず、茶に合いそうだ。』

「練りきりも美味しいですよ。」

『あぁ。よし。これを…八個ずつ、明日の昼までに届けよ。』

「…10個ずつ、です。」

『は?』

「信長様と私の分が入っていません。」

『…もてなす側なんだろう?』

「…食べたい。」

『ふっ、仕方ないな。10だ。出来るか?』

『勿論で御座います!』

『頼んだ。よし、行くぞ。』

信長は、またあさひに手を差し出す。
迷いなく繋ぎ歩き出す二人を、店主はにこやかに見送った。

城に向かって歩き出す。
賑やかな風景を見回しながら歩いていると、信長が急に立ち止まった。

「のぶ、ながさま?」

『ちょっと来い。』

「えっ?」

歩き始めると鼻をくすぐる甘い匂い。

『見付けたぞ。』

「あ、お菓子の露店。最近できたのかな?」

颯爽と店の中に入る信長を、やはり店主が驚きながら声をかけた。

『のぶっ、信長様!?…なにか、店にありましたか?
南蛮から仕入れた物を並べただけでございます!』

「ま、まさか。」

『あれをすべて寄越せ。』

信長が指差したのは、きらきら光る金平糖。

「色合いが見慣れないですね。」







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