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暁の契りと桃色の在り処 外伝 【イケメン戦国】

第10章 天女の歌声 後編


『それなら、よい。』

思ったより怒らなかった信長に、あさひは、安心しきっていた。
しかし、その夜、嘘をついた仕置きが待ち構えられていたのだった。

…そして五日後。
あさひは信長の言う【ついては行かない】という言葉の意味を知ることとなる。





ー五日後。

城門には、秀吉、家康に見送られるあさひの姿があった。

「じゃあ、行ってきます。」

『あぁ、気を付けるんだぞ。佐助に宜しくな。俺達も…』

「え、俺達も?」

『あ、いや。えっと…』

『溜まった政務を終わらせる、ですよね?』

『あぁ、そうだ。頑張って終わらせる。』

「うん。遅くならないようにするから。」

『わかった。佐助、待ってるんでしょ?
早く行きなよ。』

家康に促され、あさひは五日前と同じ面子で待ち合わせの茶屋へ向かった。


『秀吉さん、嘘つくの下手ですよね?』

『家康、すまん。』

『はぁ、さぁ、終わらせて【追い掛け】ますよ!
【ついては行かない】けど【追い掛ける】なんて言葉のあやなのに…
うちの城主は、頓知比べかなにかですか?』

『見送りをしないで、書簡書きしてるんだ。それだけ
あさひの歌声を聞きたいんだろう。』

『光秀さんは酒の調達、政宗さんは甘味と肴作り。…宴かなにかですか?』

『まぁ、いいじゃないか。ほら、戻ってやるぞ!半刻で終わらせなきゃな。』

二人は足早に城へ戻る。
広間につくと、信長は鬼気迫るほどの集中力で書簡を書き終えようとしており、三成が政務のほとんどを信長の指示でまとめ終わっていた。

『…まったく。必死すぎ。』

秀吉と家康は、急いで残りの政務をこなし始めた。





「お待たせ!仕事、無事に終わったんだね。」

『あぁ、バッチリさ。』

「今日もあの川原でいい?」

『…あ、うん。そういや、あの日は光秀公になにか言われた?』

「光秀さんにバレてて、それから信長様に話したよ。今日のことも知ってる。」

『へぇ。…だからか。』

「え?」

『あ、いや。じゃあ、公認なんだね。』

「うん、そうだね!」

『じゃあ、早速行こうか。』

二人はまた川原に向かい歩きだした。





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