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暁の契りと桃色の在り処 外伝 【イケメン戦国】

第5章 おんなのこのひ


恥ずかしさで泣きそうだった。
月のものが来るから、今夜は無理です。って六人の男の人に囲まれた中で言うなんて。

恥ずかしくて、布団を被ってしまった。

『…だそうですから、仕置きは、あさひの体調が落ち着いたらにしてください。』

クックック、と笑う光秀さん。
にやける政宗。
天を仰ぐ秀吉さん。顔を背ける三成くん。

布団から、ちらっと周りを見渡すと思った通りの反応に、また布団を被る。

『あさひ、頭痛に効く薬持ってくるから。』

『生姜湯作ってきてやる。体暖めろ。』

『寒ければ厚手の羽織を持ってきてやる。』

『気分転換に書物を用意しますね。』

『張り子の仕事、休むって話してきてやるな。』

みんなが私のために出払ってくれた。



足音も消えて、部屋が静かになった。

そーっと、布団から頭を出す。
そして、私は驚いた。
まだ信長様が隣にいたのだから。

恥ずかしくて、何も言えなくて。
また布団を被ろうとした、その時。

信長様は、そっとその手を握って、

『暫くは貴様に触れるのは、このくらいで我慢する。』

そう言った。

恥ずかしくて、でも嬉しくて。

私は「はい。」と答えた。


その後。
家康が持ってきてくれた薬を飲んで、
政宗の作った生姜湯を飲んで、
光秀さんの持ってきてくれた羽織を布団の上にかけて

私は褥の中にいて

信長様と手を繋いで、反対側の手で頭を撫でてもらった。

段々と眠気がきて、私はゆっくりと瞼を閉じた。


※※※※※


その後、また軍議は再開したって、後に秀吉さんから聞いた。
でも、軍議の間、信長様は機嫌が悪くて困ったって。

そして、ようやく普段の生活に戻った頃、
私の体調が戻るまで信長様の機嫌が最悪だったって事は、光秀さんから聞いた。


私は恥ずかしくてその場に立ち尽くしてしまった。

『愛されてるって事だろ。』

そう言ったのは政宗で。

『次のも、また体調悪くなりそうなら早めに言いなよ。』

優しく肩を叩いたのは家康だった。

『さぁ、参りましょう。』

三成くんのエンジェルスマイルに癒されながら、広間へ行く。
今日の昼は、ささやかな快気祝いだって。
信長様の機嫌が戻った祝いだって、光秀さんが意地悪に言う。

苦笑いをする私をみんなが優しく手招きしてくれた。

















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