第14章 Purple Nail
蘭「楓ちゃん、網の中は危ないから、私達は外にいよっか。」
楓「あ、うん。分かった。」
網の中に続々と観客が入っていく。いつの間にか、隣にいたはずのコナンくんは居ない。
楓「蘭さん、コナンくんがいない。」
蘭「え?やだぁ。この人混みではぐれちゃったの!?もう!」
園子たちと居てね!と言って蘭さんは行ってしまった。
楓「・・・そっちに蘭さん行ったよ。」
そう言えば、コンコン、と通信機を鳴らす音がしたので園子さんの元へ向かう。
園子「あれ?ちびっこ、蘭は??」
楓「コナンくんを探しに行きました。」
小五郎「まぁたあのガキ居なくなったのか!?」
園子「まぁ、これだけの人数が網の中に入ろうとしてるんだもの。はぐれちゃうわよ、おじさま。」
小五郎のズボンを掴んで待っていると、蘭さんとコナンくんが戻ってきた。
園子「蘭!遅かったわね。」
蘭「ごめんね。コナンくん見つけるのに時間かかっちゃって。」
コナン「あはは・・・ごめんなさぁい。」
合流してすぐにコナンくんは今日、キッドはヘリコプターに吊られて屋上へ行ったのではないかと推理していたが園子に飛んでいるヘリコプターは警察のもので操縦者を念入りに次郎吉おじさんがチェックしていたため、不可能だと告げられた。
コ「また考えなおさなきゃ・・・。」
楓「ねぇ園子さん、チェックした後に入れ替わる時間はなかったのかな?」
園子「顔のチェックをしてすぐヘリに乗ったらしいから、それは難しいと思うわよ?」
楓「そっか。じゃあ無理だねぇ。」
園子「なに、アンタもキッド様の謎解きしてるわけ?」
楓「解けたら面白いかなって。」
ニコニコと笑う少女に園子は両腕を腰に当てて告げる。
園子「キッド様にちびっこが勝てるわけないでしょ?」
蘭「ちょ、ちょっと園子。楓ちゃんは勝つつもりなんてないと思うけど。」
楓「コナンくんより先に解けたら、歩美ちゃん達に自慢しようと思って。」
園子「あー、そういう。なるほどねぇ。ま、頑張んなさい。」
蘭「もー。ごめんね、楓ちゃん。」
楓「?全然大丈夫だよ??」
少女はコナンの表情を見て、空を見る。
あーあ、残念。