第14章 Purple Nail
夜―――――
楓「・・・へぇ。人が多いね。」
快斗「ま、ショーを楽しみにしてる観客が多いってことだ。」
楓「ねぇ快斗。我儘を一つ、聞いてほしいの。」
快斗「・・・我儘?」
セットを終えた快斗がこちらを向く。
楓「今度、遊びに出掛けたいな。人の目を気にしそうだし、少し遠出になるかもしれないけれど。」
そう言えば、快斗は一瞬きょとん、としたものの、今までに見たことないくらい嬉しそうに笑って飛びつかれた。
楓「か、快斗?」
快斗「んなもん我儘に入らねぇっての!行こうぜ!」
楓「・・・!うん!」
ニッと笑い、快斗は去っていった。
楓「・・・さーて、頑張ろうかな。」
ビルの屋上から下を見下ろし、見つめる。
楓「・・・丸暗記、ね。得意分野だわ。」
交差点を見つめて、笑う。
楓「喧嘩を売る前から、全てを知られてたと知ったらどうなるんだろう。」
ダミーを飛ばし、屋上から降りる。
あぁ、こんなにも楽しい。