第14章 Purple Nail
楓「それで、何を手伝えばいいの?カメラ情報にハッキングするくらいまでなら、」
快斗「待て待て待て!それは別に大丈夫だ!」
楓「そう?じゃあ何をすればいいの?」
快斗「あの爺さんのことだ。1度で両方のミュールを取らせてくれるとは思わねぇ。だとすりゃ、2日に分けて盗む必要がある。1日目は交差点の状況を“丸暗記”と、ダミーを飛ばしてほしい。」
神妙な顔つきで言うものだから、何事かとおもえばなんだ。
楓「その程度なら何も問題ないわ。大丈夫。」
快斗「・・・そ、うか。んで、2日目は警部達の動向を見つつ、会場の警戒を頼む。」
楓「・・・?うん、分かった。コナンくんはどうするつもり?」
快斗「2日目は盗聴器仕掛けて推理聞くつもりだから心配すんな。」
楓「・・・そっか。分かった。」
快斗「俺もじいちゃんも最初から現場に居ないといけねぇからダミー飛ばすのだけはどうしても頼みたくてなー。宜しく頼んだ。」
楓「らじゃー。」
そう告げながら敬礼をすれば快斗は笑った。
快斗「んじゃ、飯にでもするか!」
楓「?日にちは決まってるの?」
快斗「いや、それが新聞にまだ載らないから分かんねぇんだよな。」
楓「・・・ちょっと待ってね。」
持ってきたパソコンを開いてキーボードを叩く。快斗は後ろから面白そうに覗き込んでくるが、気にしない。
快斗「・・・。(相変わらずのすげータイピングの速さ。)」
楓「・・・あ。」
快斗「ん?どうした。」
引っかかった情報に、快斗の方をくるりと向いて言う。
楓「明後日だって。」
快斗「・・・は?」
快斗がポカン、としていたので、もう一度言う。
楓「新聞の記事が引っかかったわ。明後日だそうよ。挑戦状を叩き出すのも、設置するのも。」
快斗「む、無茶苦茶すぎねぇかあの爺さん!?」
うわぁ、寺井ちゃん反対するだろうなぁとぼやく快斗。肩をトントン、と叩いてこちらを見てもらう。
楓「出来る限り手伝うから。寺井さんの説得しようか?その間に下見行っておいでよ。」
快斗「ん?おう。分かった。」