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ネモフィラを夢に見る

第13章 Vermouth







ベ「赤井秀一がしんだわ。」



そう言って、にっこりと微笑んだベルモット。


ベ「銀の弾丸は1つで十分だもの。そう思わない?フォーギヴン。」
楓「ウォッカから連絡があったよ。キールは結局裏切り者じゃなかったってことよね?」
ベ「えぇ、そう見てるわ。貴方はどう見る?」
楓「・・・別に、興味がないわ。」



ふい、と視線を逸らすとベルモットは顔を近づけてきた。


ベ「ねぇフォーギヴン。私、彼女のこと聞いてなかったのだけれど?」
楓「?なんのこと。」
ベ「とぼけないで。いつの間に、貴方と出会った記憶を全て消し去ったの?」


不審がるように、こちらを疑うようにベルモットは視線を投げてくる。


楓「興味がなくなったから。」
ベ「・・・怖い子。」


肩を竦めて下がっていく。パソコンの画面を閉じてベルモットを見つめて告げる。


楓「友達をいじめるからよ。」
ベ「・・・貴方が何と言おうと、シェリーは裏切り者なのよ。」
楓「あの子は、灰原哀なの。私の友達。」
ベ「そう。なら、“貴方の友達だから”消しましょうか?」


そう言って、妖艶に笑うベルモット。あぁ、きっと、本気だろうな、なんて思いながら椅子から降りる。


楓「私の頭の中身も全部消していいなら考えるわ。」
ベ「・・・悪かったわよ。機嫌を直して頂戴?」
楓「今日は和食。」
ベ「あら、いいわね。」



上機嫌に部屋を出て行った。着替えにでも行ったのかな。



楓「・・・悪いだなんて、思ってもないくせに。」




彼女も私も、分かっているのに演じ続ける。



先に剥がれるのは、




彼女か。


私か。







楓「赤井、秀一。」


窓の外を見つめ、呟く。




楓「・・・手強いなぁ。」






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