第12章 I and Mysterious Thief
目の前に置かれた食事。ジーッと見ていると上から声がかかった。
快斗「そんなに見つめなくたって、変なものは入ってないぞ?」
楓「そういうわけじゃ、なくて。」
快斗「?」
楓「・・・。」
初めて、だった。
楓「作ってもらったご飯、初めてだなぁって。」
以前、蘭さんのところに行った時は小五郎おじさんが万馬券当てて大喜びで外食に行ったし。ベルモットは作らないし。
何だかんだで、ご飯を作ってもらったのは初めてだなぁ。
楓「・・・?快斗?」
快斗「・・・あ、いや。わりぃ。それならもうちょい頑張れば良かったと思って。」
楓「?既に凄いよ??」
快斗「うん、分かった。澪、毎日とは言わないから晩飯うちで食え。な?」
楓「え、でも、」
快斗「いいから。俺ん家、見た通り一人で住んでるし。一人増えたくらいじゃ困んねぇから。・・・それに、一人で食うより話し相手が居た方が楽しいし。」
な?決まり。と言われ、決定されてしまった。なんだか、凄く胸が痛い。なんなのだろう、これ。
楓「・・・ごめん。」
快斗「え?俺と食うの嫌だった?」
楓「え、いや、そういうわけじゃなくて、快斗と一緒に居ると楽しいし、そんな事はない。ご飯一緒に食べれるのも、嬉しい。」
快斗「じゃあ一緒に食おう。」
そう言いながら、前に座る快斗。
快斗「保護者がダメって言うなら、仕方ないけど。そういうわけじゃねぇんだろ?」
楓「うん。今日本に居ない。」
快斗「・・・そうかい。じゃ、とりあえず明日からな。」
そう言ってニッと笑う。
快斗「いっただきまーす!」
楓「いただき、ます。」
作ってもらったオムライスは、暖かくて、優しい味がして、美味しかった。