第11章 Like a Dream
バ「・・・。」
一つの結論へ、辿り着く。彼女は、これを知ってほしかったのだろうか。何故。どうして。
何十枚にも渡る、自身の出した結論。これは、組織の弱点にも成り得るというのに。ベルモットや、他の人間の弱点でもあるはずなのに。
バ「・・・どうして、こんなものを。」
フォーギヴンという人間が分からない。何故これを知ってほしかったのか。何故フォーギヴンは、コレを知っているのか。
バ「・・・とにかく、送ろう。」
フォーギヴンの反応がどうであれ、自身の出した答えだ。これ以上のものを見つけるのは難しいだろう。
理想的だった。
楓「ふふふっ。」
まさに、求めていた答え。彼に見つけて欲しかった情報。中枢にハッキングした形跡はなかったし、末端のシステムにでも残っていたのかな。
楓「あぁ、楽しい。愉しいとも。」
パソコンの隣に置いてあったチェスの駒を1つ動かす。
楓「でもまぁ・・・80点かなぁ。部分的に抜けているし。」
けれど、これが限界。中枢にハッキングしても残っていないデータなど多く存在する。そのデータは全て、私の頭の中にしか残っていない。
楓「けれど・・・うん。いい一手かな。」
嬉しそうに画面を見つめる少女。
楓「あぁ、待ち遠しいな。早く、早く。」
見つけて。