第2章 Start Japanese Life
日々何事もなく、小学校に通う。
ベルモットの言ってた通り、本当に長期の休暇のようで、仕事を頼まれることは一切なかった。
ある日、家に帰った時のことだった。
「あら、おかえり。」
楓「ただいま、ベルモット。」
ベ「どう?小学校は。」
楓「とても新鮮。学校って、予想外のことが多いね。」
そう言うと、ベルモットは笑った。
ベ「そう。楽しそうで良かったわ。」
楓「ベルモットは?仕事?」
べ「えぇ。・・・それで、暫くここには戻ってこれなさそうなのよね。」
日本を拠点にして仕事をしていたベルモットだったのに、どうやらその仕事はひと段落してしまったらしい。
楓「そっか。・・・また、アメリカに帰るの?」
ベ「そんなとこね。・・・ねぇ、フォーギヴン。暫く戻ってこれそうにないし、代わりの人間を用意していくわ。」
楓「・・・。」
代わりの人間。コードネーム持ちだろうか。それとも、下っ端なのだろうか。けれど、どちらにしても、
楓「・・・いらない。」
ベ「・・・そう?でも、ここだと食事は出せなくなってしまうわよ?施設に移動する?」
楓「大丈夫。何とかする。」
今更、日本の組織の施設に顔を出すだなんてしたくなかった。ここでの生活に慣れてしまった。・・・食事に関しては、適当にすれば良いとも思うし。
ベ「・・・そう。わかったわ。何かあったら、ジンとウォッカに言いなさい。暫くは日本に居るようだから。」
楓「うん、わかった。」
ベ「それに、シェリーもバーボン、キールもいるわね。・・・って、貴方が知らないわけなかったわね。ごめんなさい。」
楓「ううん。大丈夫。ベルモットはアメリカで大丈夫?」
ベ「スナイパーよ。まだコードネームは持ってない下っ端。・・・貴方が選んだパートナーなら、文句はないわよ?フォーギヴン。」
楓「・・・バレてたの。」
心の中で少しばかり不貞腐れる。声にはそんな気持ちを乗せた覚えはないのに、ベルモットは頭を撫でてくれた。
ベ「2週間程で戻ってくるわ。」
楓「うん。行ってらっしゃい。」
そう言って、ベルモットは部屋を出て行った。
楓「・・・大丈夫。大丈夫。」