第11章 Like a Dream
フォーギヴンに、食事に行かないかと誘われた。彼女から連絡が来るのは初めてだったが、近頃はベルモットが日本にいないから毎日のように会っていたし、おかしなところはなかった。
フォ「キール!」
キ「フォーギヴン、学校は行ったの?」
フォ「もちろん。学校、楽しいよ。」
ニコリと微笑むフォーギヴンに、不思議なところもない。指定したホテルのレストランで、食事をとる。
フォ「ね、キール。とっても美味しい!」
キ「よかったわ。貴方の口にあって嬉しい。」
フォ「このパスタ、とっても美味しいねぇ。今度ベルモットとも来ようかな。」
嬉しそうに微笑むフォーギヴンに釣られて笑う。
フォ「キールこそ、仕事は大丈夫だったの?」
キ「えぇ。問題ないわよ。」
フォ「次の任務の下見も終わってるんだね。」
キ「・・・本当、休暇中でも何でも知ってるのね。」
次の任務は、少し気が重い。組織に入ってからの、初めての、コロしの任務。自分が直接手を下すわけじゃないけれど。・・・目の前で、命がなくなることを考えると、少し、恐い。
フォ「・・・怖い?」
キ「・・・え。」
フォ「キール、こういう任務初めてだもんね。」
キ「・・・フォーギヴンは、こういう任務はしてないの?」
メインサーバーとも呼ばれるこの少女がそういった任務をしているとは思えず、思わずそう質問していた。
フォ「数は少ないけど、やったことはあるよ。」
キ「・・・!」
フォ「あの時はね、外に出られるからとっても楽しみにしてたね。」
ニコニコと笑う少女。机の下で、爪が自分の手に食い込む。
フォ「でも、最近はそういう任務ないなぁ。そろそろ狙撃の腕も鈍っちゃいそうだし、ベルモットにでもお願いしようかな。」
くるくるとフォークを器用に指で回す少女。その言葉に思わず目を丸くした。
キ「貴方・・・狙撃も、出来たの?」
フォ「んー、あんまり遠いと難しいけど。500ヤードくらいまでかな。・・・いや、今全然やってないから200ヤードくらいまでしか自信ない。」
こんな小さな少女が、狙撃を行えるだなんて、想像もしていなかった。