第9章 Case of Dolphin Land Hotel
女性3人がいる部屋で、目暮警部は話を始める。
目暮「藤村さんの死亡推定時刻はおよそ12時から1時ごろだそうです。・・・それで、この携帯を見て頂きたい。」
被害者の携帯の電話履歴を見せる。
目暮「この発信履歴は、貴方で間違いありませんか?山本公仁子さん。」
そう言われ、名指しされた女性は頷く。
公仁子「えぇ、私ので間違いありません。ほら。」
そう言って、女性は自身の携帯の着信履歴を見せる。
目暮「・・・そうか。」
そう、一言だけ告げると被害者の携帯を部下に返す。
目暮「貴方が犯人だったんですね。山本公仁子さん。」
そう、警部が告げると女性は目を丸くする。
公仁子「な、に言って・・・。」
佳央理「そうですよ!公仁子が犯人なわけありません!!だって、死亡時刻は12時から1時ごろなんでしょう?公仁子は直美と1時に電話してるじゃないですか!」
公仁子「そうですよ!私は確かに直美と電話をしました。それに、テレビだってついていたじゃないですか!」
目暮「その電話、本当に直美さんと会話をされましたか?」
その言葉に、言葉が止まった女性。
公仁子「・・・えぇ、私は確かに、電話をしました。」
目暮「テレビの件でしたら、既にアイスと棒付き飴を使い、テレビが付く時間を遅くしたということが分かっています。つまり、1時に被害者が確実に殺害されたというわけではないわけです。」
公仁子「・・・だからって、どうして私が、」
佳奈美「そうですよ警部さん!公仁子がどうして直美を殺害しただなんて、」
楓「ねぇ、お姉さん。お姉さん、駅で、変な動きしてなかった?」
公仁子「・・・え?」
蘭の後ろから、ひょっこりと顔を出す少女。
楓「右手、ずっとポケットに入れてたよね。しかも、お姉さんの電話が鳴る直前、もぞもぞ動かしてたよね。」
公仁子「っ!?」
楓「お姉さん、ポケットに何入れてるの?」
不思議そうに質問する少女に、女性は言葉を失った。