第9章 Case of Dolphin Land Hotel
顔を上げて蘭を見たら、その後ろにふと目がいった。
楓「あれ・・・?」
蘭「楓ちゃん?・・・あら、ここ濡れてる。テレビのつまみも濡れてるわね。」
目暮「なに?」
小五郎「どうせ花瓶の水でも零したんだろ。」
思い立って、警部に声をかける。
楓「ねぇ、警部さん。これ触ってもいい?」
目暮「え?構わんが・・・いや、少し待ってくれ。手袋を用意しよう。」
すぐに手袋が用意され、それをつける。
蘭「どうしたの、楓ちゃん。そのお菓子食べない方が・・・。」
楓「お菓子じゃなくて、これ・・・。」
溶けてしまっているアイス。濡れているところに合わせて持ち上げる。
蘭「あれ?濡れてるところにピッタリじゃない?これ。」
目暮「・・・ふむ、確かに。」
楓「最初はここに置いてたのかもしれないね!でも、そうだとしたら、ここに置く意味ってあるのかなぁ。」
小五郎「そこに?・・・ん?待てよ。蘭、100円玉あるか?」
蘭「え?えぇ、あるわよ。」
蘭に100円玉をもらい、すぐ真下に落ちていた紐付き飴を取る小五郎。紐をお金投入口にひっかけて、アイスで固定し、100円玉を投入口に置く。
蘭「あ・・・紐に引っかかって入らない!」
小五郎「最初はアイスは固まってるから固定されてるが、アイスが溶けて・・・。」
手を放すと、アイスは床に落ちて紐付き飴も落ちる。すると、100円玉はチャリン、と投入口に吸い込まれる。
目暮「・・・これなら、そこが濡れている理由にもなるし、床に駄菓子を散らばせることでそれに気付きにくくなる、か。凄いじゃないか毛利くん。」
小五郎「いえいえ・・・。」
照れる小五郎。
目暮「つまり、1時よりも前に殺害されている可能性が高いな。」
高木「目暮警部!机の下から被害者の電話が発見されました!!」
さぁ、どうでる?