第9章 Case of Dolphin Land Hotel
女性二人はそれぞれ、山本公仁子、大林香央理と名乗った。
ドルフィンランドホテルにいる、同級生に会いに行くとのことで、途中まで一緒に行くことになった。
公仁子「あの、まだ一人揃ってなくて。」
「ごめーん!!お待たせ!!」
パタパタと走ってきた女性。どうやら、今言っていたその一人が揃ったようだ。小五郎はその女性を見て、また美女が増えた・・・と目を輝かせていた。その女性は金田佳奈美と名乗る。
小五郎「しかし、公仁子さんはデザイナーで、佳央理さんは編集者、もうお一方も子供用デザイナーとは!美しい上に才能豊かなんですなぁー!」
公仁子さんが独立して個人事務所を建てるという話になり、本人が少し困ったような表情をするが、小五郎はそんなことに気付かないようだ。
楓「蘭さん・・・大変だね。」
蘭「なんだかごめんね、楓ちゃん・・・。」
それから何故かドルフィンランドではなく、ドルフィンランドホテルまで同行している小五郎達。レトロフロア、というフロアに同級生が泊まっているとのことなのだが、何故ここまで来たのだろう。
楓「・・・おじさん、どこまで付いて行くつもりなの?」
小五郎「あ?いやぁ、」
蘭「そうよお父さん。楓ちゃんをドルフィンランドに連れていくって言ってたじゃない!」
渋々、来た道を戻ろうとすると、
「ちょ、ちょっとなにこれ!?」
「きゃぁぁあああ!!!」
鍵が開いていた同級生の部屋に入っていった女性3人の悲鳴が聞こえ、小五郎が部屋へ飛び込んでいく。
小五郎「なっ・・・!?」
部屋の中で、女性が一人血だらけで倒れていた。
付いていたテレビが、ブツッと切れる。
小五郎「部屋の中のものは触らないように!!」
楓「おじさん、誰も触ってないよ?」
小五郎「え?」
楓「コイン式のテレビだし、時間になって切れちゃったんじゃないかな。」
小五郎「・・・うぉっほん!」
一つ咳払いする小五郎の横を抜け、蘭の服の裾を掴む。
楓「警察に連絡した方が、いいと思うよ。」
蘭「あ、うん!そうだね。」