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ネモフィラを夢に見る

第9章 Case of Dolphin Land Hotel




東都モノレールの一番町駅。蘭さんは切符を買いに行っていて、小五郎さんと二人きり。



楓「・・・どうして新聞を持っているの?」
小五郎「あん?これは競馬の新聞だ。今日出馬する競走馬の情報が載ってんだよ。」
楓「へぇ・・・。」



ジーッと見ていると、小五郎は不思議そうにこちらを見る。



小五郎「なんだ、興味あるのか?」
楓「うん、ちょっとだけ。」
小五郎「そうかそうかぁ!なら俺が特別に教えてやろう!」


しゃがんで私と同じ視線で新聞を広げてくれる小五郎さん。


小五郎「いいか?この一列が同じレースで走る馬だ。馬の名前はここ、騎手っつって、馬の上に乗って走らせる人の名前がここに書いてある。この下のやつは馬を飼ってる人の名前だな。」
楓「へぇ・・・いろんなことが載ってるんだね。この丸とかはなぁに?」
小五郎「これはだな、記者達が、この馬は強いから勝てる!って自信持って推してるって意味だ。」
蘭「ちょっと!子供に何教えてるのよ!!」
小五郎「ゲッ。」
楓「おかえりなさい、蘭さん。」


後ろを振り返ると、怒った表情の蘭が居た。その後ろで立っている女性二人が目に入る。


楓「・・・?(あ、れ?)」
蘭「もう!我が家の財政に大穴開けないでよ!?」
小五郎「わーってるよ。」


「分かってるわよ。」


小五郎と同じ言葉を発した女性に、蘭と小五郎はそちらを見る。



楓「・・・。」


なんだか、少し嫌な空気を纏っていて、楓は思わず蘭の服の裾を掴む。


蘭「あら、どうしたの?楓ちゃん。」
楓「あ・・・ごめんなさい。人が多くて、つい。」


小五郎「うっはーっ!!美女が二人で美女美女!!」


大声を上げた小五郎に、女性2人はこちらを見た。



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