第8章 Bourbon
バ「・・・どうやら、お気に召したらしい。」
消印のない手紙。安室透の部屋の郵便受けに新たに投函されていた。
部屋に戻り、手紙を開ける。暗号でもなんでもない、ただの手紙だった。
日本の手紙では拝啓だとか、いろいろ前置きが必要だと分かってはいるけれど、省略させて頂く。きっと、それは貴方のためにもなるだろう。
さて、先日の依頼は実によく出来ていた。流石は探り屋と言うべきだろうか。貴方のその正確さを見込んで、次の依頼をすることにする。
次ページに記載する単語から思いつくものを報告すること。
バ「・・・思いつく、もの?」
2枚目をめくると、単語が記載されている。
子供
アメリカ
日本
期限は1ヵ月。
今回の報酬は貴方に一任しよう。直接会う、に関連する以外のことで、私が叶えられる範囲のものなら何でも構わない。
以上
バ「・・・子供、アメリカ、日本か。共通するものを挙げればいいのか、それとも、これらに関連する何か・・・か。」
しかも、今回の期限は随分と長い。深くまで探せということだろうか。
以前の報告で何を見られたのだろうか。何も分からないままだ。けれど、何かを見られている。情報網か、出どころか。・・・いや、ただ俺の出方を見ているだけ、か?
バ「・・・喰えないやつだ。フォーギヴン。」
必ず、正体を暴いてやる。