第8章 Bourbon
楓「・・・ふぅん。」
纏め上げられたデータは、まるで報告書のように見やすかった。
事細かに調べ上げられたソレに、少女は感嘆の息を漏らす。
楓「まぁ、及第点かしら。」
自分の恨みも混ざっているようなその報告書を眺め、少女は独り言を呟く。
楓「・・・赤井 秀一。シルバーブレッド。」
写真を見つめ、思う。
彼は、どう思うのだろうか。彼女は、どう思うのだろうか。
あの子は、どう思うのだろう。私は、この人に会ったらどう思うのだろう。
楓「・・・次の収集、何にしようかな。」
日本で生きていくのに便利な情報でも教えてもらおうか。
どこか、ワクワクしている自分に、自分で蓋をする。
楓「・・・バーボン。安室 透。ベルモットは毛嫌いしてるけど、別に嫌な人じゃないと思うんだけどなぁ。」
バーボンの写真をなぞる。
楓「・・・まぁでも、ベルモットとは気が合わないかもしれないな。」
根が、とても真面目すぎるんだもの、彼。
カタン、と郵便受けに入る白い封筒。
楓「・・・楽しみにしてるね、バーボン。」
貴方の情報網に、どれだけ引っかかるのか。