第7章 Small Woman
哀「・・・?楓?」
歩美「うん!人見知りしちゃうんだけど、とってもいい子なの!」
光彦「少年探偵団の一員なんですよー。」
そう言って、ニコニコする二人。江戸川くんを見ると思い出したように言葉を発する。
コ「まだ話してなかったっけか?」
哀「・・・えぇ、初めて聞く名前だわ。」
コ「おーい楓ー。」
楓「っ、え?」
前の方に座っている少女が、驚いたようにこちらを見る。痛みを知らない黒髪を揺らし、江戸川くんを見ながらこちらへ歩いてくる。
楓「なぁに?コナンくん。」
コ「灰原と話したことないって聞いたから。」
そう言ってこちらを指指した江戸川くん。少女はこちらを見てビクリ、と肩を竦めて江戸川くんの後ろに隠れてしまった。
歩美「大丈夫だよ、楓ちゃん!」
元太「そうだぞ楓。悪いやつじゃねーよ。」
子供たちにそう言われ、恐る恐る少女は顔を見せた。ぱっちりとした茶色の瞳。少女らしい、幼い顔立ち。
楓「え、と・・・あの、天宮 楓、です・・・。」
哀「・・・灰原 哀よ。宜しく。」
楓「うん、宜しく、ね。」
自己紹介をするや否や、少女はすぐに江戸川くんの後ろに隠れてしまった。吉田さんはそんな少女の頭を撫でて褒めている。
歩美「哀ちゃんも少年探偵団の一員になるから、仲良くしようね!」
楓「あ、うん・・・。」
コ「ほんと、人見知り治んねぇな。」
楓「そんなすぐに治るものじゃないもん。」
むぅ、と膨れる少女。
初めて出会ったはずなのに、どうしてだろう。
彼女を守らなければ、と思うだなんて。