第6章 Robber of Lady
楓「・・・へぇ。」
パソコンに向かい、何かを見て呟く少女。
楓「・・・組織から抜けるだなんて、無理に決まってるのに。」
脳裏に焼き付く、記憶がある。
「いつか、いつかきっと、お前はその名前を捨てれる時が来る。だから、耐えろ。・・・いつか、きっと、お前に気付く人がいる。」
「大丈夫。貴方は賢い子だもの。大丈夫よ。きっといつか、心から笑える日が、貴方には来るはずだわ。」
忘れられない、記憶がある。忘れてはならない、記憶がある。
楓「・・・ひどいなぁ。ズルいよ。」
窓の外を見つめて、呟く。
楓「どうして、置いて行ったの...」
燃え盛る炎の中、少女は一人で泣いている。
そんな記憶、忘れてしまいたいのに。