第5章 White Phantom thief
「なぁにこのガキンチョ。増えてるじゃない。」
「違うのよ、園子。この子はコナンくんの友達なの。」
園子「そうなの?蘭のことだから、もう一人預かっちゃったのかと思ったわ。」
園子、蘭とそれぞれ呼ばれた女性。高校生の制服を着ている。茶髪で肩上でパッツンに切り揃えられている方が園子、と呼ばれ、黒のロングヘアをしていた女性が蘭、と呼ばれている。
コ「ハハハ・・・。」
園子「で?なんでこの子蘭の家にいるの。」
蘭「あぁ、コナン君と二人でいるところを私がつい声をかけちゃったのよ。」
ね、楓ちゃん。とにっこり微笑む蘭に、楓は思わずコナンの後ろに隠れてしまった。
蘭「あら。」
コ「ご、ごめんね蘭姉ちゃん。とっても人見知りなんだ。」
楓「え、と・・・あの、ごめん、なさい。」
ちらり、とコナンの後ろから顔を出すと、蘭は微笑みを崩さずこちらを見ていた。
蘭「ううん、いいのよ。私の方こそ、急に声をかけちゃってごめんね。」
楓の身長に合わせるようにしゃがんだ蘭。ジッ、と楓は蘭を見る。
楓「あ、の・・・。」
園子「あら、思ったより可愛いじゃない。こんな子いつも一緒にいた?」
コ「園子姉ちゃんがいた時は、用事があっていなかったかもね。」
園子「私、鈴木園子。蘭の親友なの。宜しくね。」
そう告げる女性を見上げ、楓はやはりコナンの後ろに隠れる。
園子「あら、本当に人見知り激しいのね。」
コ「慣れたら大丈夫なんだけど・・・。」
蘭「無理せず、自分のペースで大丈夫だからね。」
そう言ってニコニコする蘭に、楓は恐る恐るコナンの後ろから出てくる。
楓「・・・よろしく、お願いします。」
そう言ってペコリと頭を下げた少女に蘭は心底嬉しそうに微笑んだ。
蘭「こちらこそ。いつもコナン君と仲良くしてくれてありがとう。」
園子「あ、そうだ。蘭、ついでにこの子も連れてくれば?今度のクルーズ船!」
クルーズ船?と首を傾げると、園子が言葉を続ける。
園子「今度、Qセリザベスって船でパーティーやるのよ。良かったら来る?」
その言葉に、楓は少しばかり目を丸くしてしまった。