第5章 White Phantom thief
夜は暗い。何もかもを隠しこんでしまいそうな、黒。
だからこそ、ネオンは目立つし、裏路地は吸い込まれそうな程に暗い。人間なんて、すぐに隠れてしまうくらいに。
「おや、お嬢さん。こんな夜遅くに一人でお散歩は危ないですよ。」
警官姿の男がこちらに気付いて声をかける。
「・・・そんなに、目立つかな。」
警官「・・・目立つ?」
自分の金色の毛先をいじりながら、その少女、フォーギヴンは警官の目の前に立つ。
楓「少年は、手強かった?」
暗い夜に、その金髪の少女はあまりにも溶け込んでいた。