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ネモフィラを夢に見る

第4章 Black Liquor







バ「残念ながら、大した情報は入っていませんね。」


そう言って、ため息をつく。
実際、ジンとウォッカから聞いた話以外、まともな話がなかった。フォーギヴンそのものが存在していないのではないか、と思うくらいに情報がなかった。


ベ「ねぇ、バーボン。取引をしましょう。」
バ「取引、ですか?」
ベ「えぇ。貴方が欲しているフォーギヴンの情報、多少で良ければ教えるわ。」
バ「!」


まさか、この女から教えて貰えるとは思わなかった。


バ「取引の内容次第です。」
ベ「今私の抱えてる日本での依頼を遂行すること。まぁ、1件だけだわ。貴方の得意な情報を抜き取る仕事ね。」


そう言って、どう?やるかしら。と言葉を付け加える女に、即座に返事を返す。


バ「構いませんよ。その取引をしようと思った理由をお教え頂けるのであれば。」


そう言うと、ベルモットはクスクスと笑う。


ベ「フォーギヴンがね、貴方に興味を持ったそうよ。」
バ「僕に、ですか。」
ベ「えぇ。良かったわね。」


一体、何故興味を持たれたのだろう。全く理由が見当たらない。・・・情報を集めようとしていたのが、バレたのだろうか。



ベ「近々、本人から連絡が来るでしょうから、それを無碍にしないで頂戴。それが理由ね。」
バ「それは当然ですが・・・そこまで念を押す必要が?」
ベ「なんせ、仕事は完璧なんだもの。一目で分からないかもしれないと思って。」
バ「・・・そうですか。わかりました。」



どうやら、見て分かるもので連絡が来るらしい。メールだろうか。


ベ「以上よ。仕事についてはまた後日それを取りに行った時にでも伝えるわ。」
バ「承知しました。ご連絡お待ちしています。」
ベ「えぇ、それじゃあ。」


そう言って電話を切ったベルモット。電話の向こうで、別の人間の音が聞こえた。恐らく、寝息だろう。それがフォーギヴンであるのなら、ベルモットは随分と親しい関係にある。



バ「・・・必ず尻尾をつかんでやる。」




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