第17章 Identity
「逃げて!!!」
「生きるの。生きて、貴方は、貴方だけでも、」
幸せになるのよ。
ハッと目が覚める。
いつもの、いやな夢。
楓「・・・また・・。」
どうも、夢を見る回数が増えているような気がする。
学校に行き始めたからだろうか。
じっとりと汗ばんでいる。気持ちが悪い。
楓「学校行かなきゃ。」
お風呂に入って、今日も学校へ向かう。
コ「楓、大丈夫なのか?」
楓「おはよう、コナンくん。大丈夫だよ。」
コ「次からはちゃんと言えよ。・・・倒れるまで我慢すんな。」
楓「・・・ん、そうだね、ごめんなさい。」
心配そうな声に思わず、謝罪の言葉を述べるとコナンは慌てたようにそっぽを向いた。
コ「つ、次は倒れねぇように俺が見ててやるから。」
楓「!・・・ありがとう、コナンくん。」
にっこりと微笑めば、チラリとこちらを見てフッといつものようにコナンは笑った。
コ「気にすんな。」
歩美「あ!おはよう楓ちゃん!!!熱大丈夫!?」
楓「おはよう、歩美ちゃん。大丈夫だよ。」
今日も、穏やかだ。