第16章 Unknown
保険医「んー・・・38.7・・中々高いわねぇ。」
ベッドで眠る楓。そんなに高熱があるような赤さはない。
保険医「よく教えてくれたわね。ありがとう。」
歩美「先生、楓ちゃん大丈夫?」
保険医「一応病院に行かないとね。保護者の方には連絡しておいたから。」
光彦「インフルエンザは時季外れですし、きっと風邪ですよね・・・??」
保険医「えぇ、先生もそう思ってるわ。だから、そんなに心配しなくても大丈夫よ。君たちは教室に戻りなさい。」
コナン「先生、楓ちゃんの保護者、どれくらいで来れそうなの?」
保険医「え?そうね・・・15分くらいって言ってたわ。授業が始まるから、君たちは戻りなさい。」
歩美「えーでも歩美・・・楓ちゃんのこと、心配だよ。」
保険医は優しく吉田さんの頭を撫でながら言う。
保険医「大丈夫。先生がついてるから。」
光彦「歩美ちゃん、もう大丈夫ですから戻りましょう?」
歩美「・・・分かった。楓ちゃん、早く良くなるといいなぁ。」
元太「そういや次の授業、算数だぜー・・・。」
3人は保健室を出て行った。
保険医「・・・?江戸川くんたちも戻りなさい。」
コナン「ほら灰原、戻るぞ。」
哀「・・・この子手を離してくれないの。」
服の裾を掴んでいる楓さん。先ほどから自然に手が離れるのを待っているのだが、どうも離れない。
コナン「・・・先生、灰原だけちょっといちゃだめ?」
保険医「え?」
コナン「風邪ひいてる時、一人じゃ嫌だなぁって思って。保護者の人が来るまでだから!」
保険医「・・・灰原さんはそれでいい?」
哀「え?えぇ・・・大丈夫。」
保険医「じゃあそうしましょうか。コナンくん、先生に説明できる?」
コナン「もちろん!」
江戸川くんはニッコリと保険医に笑って、こっちを見た。
コナン「じゃあ灰原、頼んだぞ。」
哀「・・分かったわ。」
ベッドで眠る少女は魘されているのか、眉間にしわが寄っている。
哀「・・・大丈夫よ。貴方に起こる嫌なことはきっと、江戸川くんが解決してくれるわ。」