第15章 They are police.
ベ「・・・なんですって?」
途端に機嫌を損ねてしまった。
ベ「バーボン、貴方本気で言っているの?」
バ「えぇ、僕が本気じゃない時がありましたか?」
そう聞けば、ベルモットは不機嫌を隠すことなくこちらを見る。
ベ「・・・なんでまた。」
バ「貴女、日本に居ない方が長いでしょう?それで見張りが出来るのですか?」
ベ「・・・フォーギヴンは、なんて言っているの?勿論連絡したのでしょう?」
バ「えぇ、しましたよ。好きにしろ、と。」
そう返事を返せばベルモットは電話を取り出してどこかへ電話をかける。
ベ「私よ。ねぇ、フォーギヴン、貴方バーボンと話をしなかった?」
不機嫌さを隠して電話をかけた先は、フォーギヴンのようだ。耳を澄ませても電話の向こうの声は聞こえてこない。
ベ「・・・そう。分かったわ。ううん、何でもないのよ。寝てたのでしょう?ごめんなさいね。・・えぇ、またしばらくアメリカに戻るから。」
先ほどまでの不機嫌は一体どこへ?と聞きたくなるほど、ベルモットの表情は穏やかになった。
ベ「えぇ、ありがとう。貴方も気を付けるのよ?・・・えぇ。ありがとう。Good night.」
そう言って電話を切ると、溜息を一つ零した。
バ「寝てたんですか?フォーギヴン。」
ベ「えぇ。・・・いいわ。あの方には私から報告しておく。」
バ「!では、」
ベ「けれど、フォーギヴンに何かあれば全て貴方の責任になると思いなさい。いつでも命を差し出す覚悟をしておくことね。」
妖艶に微笑むベルモットに思わず肩を竦める。
バ「善処させて頂きます。それで、貴方達の住んでいる場所は?」
ベ「私から言うつもりはないわ。鍵は渡しておくから、自力で探すかフォーギヴンに聞くのね。」
ポイッと鍵を投げられる。
バ「・・・貴方の鍵、ですか。貴方はもう戻らないので?」
ベ「もう1本あるに決まってるでしょ。なにバカなことを言っているの。」
そう言って車の窓の外を見つめている。
ベ「・・・出しなさい。それから、明日の朝空港まで送りなさい。」
バ「えぇ、勿論ですよ。」
笑って、車を出す。
ようやく、奴に会うチャンスを手に入れた。