第3章 Little detective
転校してきて1ヵ月が経とうとしている。
当初、隣に座っていた歩美ちゃんも、席替えで離れてしまった。
けれど、顔を合わせる度に彼女は挨拶をしてくれる。
歩美「おはよう、楓ちゃん。」
楓「おはよう、歩美ちゃん。」
歩美「ね!昨日のドラマみた?すっごくかっこよかったんだよ!!」
楓「あ・・・ごめんなさい、それ、見てなくて・・・。」
歩美「そうなの?歩美の家、全部録画してるよ!良かったら今度遊びにくる?」
楓「え、いい、の?」
歩美「勿論!楓ちゃんなら全然!」
そう言ってニコニコと微笑む歩美。その後ろにヌッと姿を見せたのは、元太だった。
元太「歩美ー。」
歩美「あ、おはよう、元太くん!光彦くん!」
光彦「おはようございます、歩美ちゃん、楓さん。今日は転校生が来るそうですよ。」
歩美「そうなの?楽しみ!仲良くなれるといいなぁ。ね!楓ちゃん!!」
楓「おはよう、光彦くん、元太くん。・・・転校生、かぁ。」
歩美「どうしたの、楓ちゃん。」
心配そうに歩美に顔を覗かれて、少女は複雑そうに顔を上げる。
楓「その、えっと、人見知りだから・・・。」
光彦「確かに、楓さんから進んで話しかけているところは見たことないですねぇ。大丈夫ですよ!きっと仲良くなれますよ!僕たちがついてます!」
楓「・・・ありがと、光彦くん。」
光彦「いえいえー。」
「江戸川コナンです。宜しくお願いします。」
そう名乗った少年。楓は思わず首を傾げた。
江戸川コナンなんて名前の日本人がいるのなら、案外金髪も、水色の目も目立たなかったのではないか。と。