第8章 雨宿りはお好き?
不死川side
それは次第に量を増し、あっという間に本降りへと変わっていった。
「足止めくらったな……舞、雨宿りだ。ここらで良い場所はなェか?」
雨の様子を見ながら舞に問うと、彼女は少しばかり考えた様子をした後、思いついたように口を開いた。
「、、そこの角を曲がった所にお社があります。そこなら多分大丈夫かと…」
「よし、そこまで走るぞ。急げ」
「はい」
バシャバシャと足元の水を蹴り、舞の言った社へと急ぐ。
それほど遠くは無かった社は、古めかしく、どこか趣があった。
「通り雨かァ?……クソ、天気予報はいつも外れる。」
「まあ、そんなもんですね。」
はぁーっとため息をついた舞は、何やらカバンを漁っていてたが、やがて何かを取り出して俺に手渡した。
手渡されたそれは、仄かに甘い匂いのする可愛らしい柄のタオルだった。
「今日プールの授業があったのでたまたま2枚持ってました。先生も使ってください。」
あ、それ未使用ですからね!と、付け加えて声を張る舞に思わず苦笑した。
大体俺はそんなの気にするタチじゃねえし、今この場でコイツと居られるだけで嬉しい。