第8章 雨宿りはお好き?
「…よし、帰るぞ。送ってく、早く準備しな。」
「え!?あ、はい!」
ふと我に帰った私は、先生の言う通りに帰りの支度を進めた。
窓辺に立って夕日を見つめる先生の姿は、オレンジ色に染まっていて、思わず見惚れてしまう程綺麗だった。
「先生、準備できました…」
「あァ、行くか。」
……***
「そういえば…先生、私の家知ってたんですね。」
「お前ん家、居酒屋だろ?学園からも近ェし、よくアイツらと行くんだよ。」
居酒屋って知ってたのか……でもバイトしてる訳じゃないから良いのかな。炭治郎もパン屋さんの手伝いしてるみたいだし。
それにしても……先生、やっぱり顔良いな……。こりゃあモテる筈だわ……。
「…なんだよ。」
「いや……寝癖ついてるな〜って…」
タダの建前だったけど、先生は私の言葉を気にしたのか自身の髪をワサワサと手櫛で梳いていた。
「……あ、、雨、、?」
その時、ポタ、と私の頭に何かが降ってきた。