第7章 猛れ!体育祭!
「舞さあ、あの人たちに何かした訳?餌付けとか。」
「あの人たち?」
全員リレー終了後の事だった。
ごくごくと豪快にポカリスエットを飲んでいた舞に、善逸は訝しげな表情で話題を振った。
「あの教師4人の事だよ!!!煉獄先生と輩先生はともかく、不死川先生と冨岡先生手懐けるってどういうこと!?」
善逸が疑問に思うのもそのはず。
何か競技が終わる毎に4人の中から数名が現れて舞と楽しげに話をしているのだ。異様じゃないわけが無い。
「あぁ……なんかね、私の事を取り合ってるみたいだよ。よくわかんないけど。」
よくわかんないけど。という割には、何処か悟ったような表情をした舞に善逸は不信感を抱く。
「へ、へぇ〜…舞も災難だよな。教師に言い寄られるなんてさ」
「ん〜……まあ……」
さらに、満更でもないような音をさせる舞に、善逸は益々の不信感を抱いた。
前世に加え、現世で16年間舞の幼馴染みとして生きてきた善逸には、今の舞の感情の意味が分からなかった。
派閥を嫌う舞は、いつも善逸と一緒に過ごして来た。
しつこく付き纏われたり、一方的に言い寄られるのも又然り。
なのにどうしてあの教師達の事を迷惑に思わないのだろう。