第6章 美術教師の目論見※
私を保健室のベッドに降ろした宇髄先生は、白衣とパーカーのフードを脱いで頭の飾りとサラシを取った。
「…先生?」
依然として無言な宇髄先生に不信感を抱いた私は、恐る恐る宇髄先生に話しかけた。すると、先生は視線だけこちらに寄越してニヤッと笑った。
「っ、!?」
その不敵な笑みに、私は不覚にもキュンとしてしまう。
ていうか、今から何するの!?これから授業なのに…、
それに…この間先生たちで話し合いしてたじゃん!!あれは一体なんだったの!?
「なァ、天元さんって呼んでくれよ。昔みたいに」
ズキンと頭が軋んだ。なにか、……思い出せそうな…気がする……??
「覚えて……ないので…」
私が、申し訳ないというように俯いて答えると、宇髄先生は、優しく私の頭を撫でた。
その掌には下心なんて無くて、ただ純粋に慈しむような、慰めるようなものだった。
「お前に記憶がなくても、俺はとっくにお前に惚れてる。」
先生がベッドに乗ると、ギシッと軋んだ。
ハッと我に返った私は一応逃走を試みたけれど、それは本当に無意味で、押し倒されるまでの返り討ちにあってしまった。
「"過度な触れ合いは禁止"だっけか?…めんどくせぇモン決めちまったなあ……」