第6章 美術教師の目論見※
授業の後、伊之助はいきなり私を抱えて走り出した。
行先は多分保健室
「おい、大丈夫かよ。」
「うん。ありがとう伊之助、優しいね」
んちゅ〜っと、伊之助の頬にちゅーすると、伊之助はホワホワさすんじゃねぇ!!と怒った。
ふと気づけば、保健室はもう目の前。
私は伊之助にもう大丈夫だから、と言って降ろしてもらい、そこで伊之助とは別れた。
「うぅ……失礼します……」
ピキーっと鋭い痛みが走る腰を抑えながら、保健室の扉を開ける。
そして、そこにいたのは……。
「……どうしているんですか」
「よォ、案外早かったな」