第6章 美術教師の目論見※
舞side
「うーん。もっと速く走れたかも。」
今日は持久走の体力テスト。
前世の事もあり、基から体力と運動神経に自信があった私は今回の体力でクラス内の女子ではぶっちぎりの1位だった。
「おい真奈!!お前タイムいくつだった!!!」
後ろからドッドッドッドッ、と物凄い足音が聞こえる。
きっとそれは伊之助の足音…。
(…また、頭突きかあ……今日で何回目?)
いつものように避けようとした…、、、のだが……
「あっ、」
長距離走の疲労からか、私の体は思ったように動かなかった。
直ぐ後ろには猪突猛進の伊之助………
その伊之助も、私が避けると思っていた様で全速力で突っ込んで来た。
「痛ったアアアアアッ!?!?!?!?何すんの!?!?」
見事な程に私の腰へ命中した頭突きの威力は言葉では言い表せない程だった。
「うぎゃゃ!!!なんで避けねぇんだよ!!!!」
ガクッと膝から崩れ落ちた私が悲鳴をあげている腰を摩っていると、善逸や炭治郎が心配して来てくれた。
「舞、大丈夫か?」
「伊之助ダメだろ!女の子にそんなことしちゃ!!」
「いいよ炭治郎、避けられなかった私にも非があるし」
でもこの痛みは保健室に行きたい。
保健室で珠世先生に優しく湿布貼って貰わないと治らない。
(授業終わったら保健室行こう……)
心の中でそう決めて、私は残りの体育の授業を無心で過ごした。