第5章 様子のおかしい教師陣
先生の顔、怖くて見れない……!!
トントン、と指で指定された不死川先生と宇髄先生の席の間に行くと、宇髄先生がいきなり私の腰をぐっと引き寄せて自分の膝の上に乗せた。
私は驚いて先生の顔を見る。けれど、その顔は紅く染まっていて明らかに酔っ払っていた。
向かいに座る煉獄先生に助けを求めて視線を寄越すものの、煉獄先生もまた酔っているようで、凛々しい眉はへにゃりと下がってふふふ、と微笑んでいた。
「せ、先生!?ちょっ、下ろしてください!!」
(お酒の匂いすご!?どんだけ飲んでんの!?)
冨岡先生なんてもうすぐ寝てしまいそうだ……、不死川先生もなんか笑ってるし、
「先生だァ〜?さん付けで呼べよ。"前"みたいに」
私が"先生"と呼んだことが気に食わないらしい宇髄先生、基宇髄さんが不満そうに私を見上げた。
うっ、イケメンだ……!!!
ただでさえイケメンなのに上目遣いはずるい!!
そもそも、ここにいる教師みんなイケメンだし!!どういう事なの!?
「うっ、宇髄さん!離してください!!用が無いならもう行きますっ!」
「あ、待てよ、用はちゃんとあるぜ」
宇髄さんの腕から抜け出して去ろうとするも、再び呼び止められた。