第5章 様子のおかしい教師陣
舞side
居酒屋"紫"。
それは、私の家が経営しているお店である。
4月の月末____この時期は親睦会やら何やらでお客さんが沢山来る……。
家の中でのうのうとゲームをしていた私なのだが、"あまりの繁盛さに手が回らない"との連絡を受け急遽ヘルプとして接客をしていた。
不慣れな営業用のエプロンに三角巾……
(こんなの先生に見られたらまずいよ……早く客足減らないかなあ……)
「舞!これ2番テーブル、生4つね」
「はあい」
お盆に並べられた4つのグラスをそれぞれ2つずつ手に持ってテーブルへ向かう。
そう言えばあそこの席はヤケに賑やかだったな……営業のサラリーマンかな。
「お待たせしました〜、こちら生ビール4つになりま……」
いつものように膝を下について品物をテーブルに乗せて、いつものように営業スマイルをお客さんに見せる……筈だった。
「あれ、お前……」
「せ、先生……」
私の手からジョッキを受け取ったのは、まさかの宇髄先生。
ハッとして同席している人達を見れば、まさかの煉獄先生、不死川先生、冨岡先生。
(先生に見られた……終わった、)
「舞、こっち来いやァ、ちょっくら話そうぜェ」
「はっ、はい」