第4章 恋に落ちる音がした
「あの、宇髄センセ……っう、ッ!!!」
「っ!?紫色少女、大丈夫か?」
職員室に入室した舞は、俺たち3人を見渡したあと、苦しそうな呻き声をあげて壁に寄りかかった。
俺は咄嗟に彼女を抱き寄せ様子を伺うと、どうやら目眩がしてよろけてしまったらしい。
(保健室に連れて行くべきか?だが今日は珠世先生も愈史郎少年も居ない…。ベッドなら宿直室にあるが……。)
「舞は前世の記憶が戻る時頭痛がするらしい。以前コイツ自身で俺に伝えてきた。」
「よもや、そうであったか……。」
椅子に縛り付けらたまま、宇髄がそう言った。
…こんな時、どうすれば良いのだろう。目の前で愛しい人が苦しんでいるのにどうして俺は何も……。
「ごめんなさい……もう、大丈夫で……」
俺の胸元から顔を上げた舞は、俺の顔を見るなり固まってしまった。
そして、みるみるうちに舞の顔は真っ赤になり、煙が出るのではないかと言うくらいに紅く染まった。
「紫色少女、熱があるのではな……」
「も、もう大丈夫です!!本当に!!あの、これ!!宇髄先生にお願いします!!それじゃあ、失礼しました!!」
彼女の額に手を当てようと手を伸ばすと、彼女は勢い良く飛び退いて俺に何やら衣服を渡したあと職員室から出ていってしまった。
「よもやよもや……俺の事がそんなに嫌なのだろうか…」
「今のは違ェヤツだったろうが。」
「煉獄先生ったらウブですねェ!?えぇ!?」