第4章 恋に落ちる音がした
舞side
宇髄先生のTシャツ返して、適当に挨拶して帰る予定だった。
なのに、なのに……!!!!
______「紫色少女、大丈夫か?」
「思い出しただけでもうダメ……っっ!!!」
「その気持ち良くわかるわ!!殿方に優しくされるとキュンキュンしちゃうものね!!」
あの後逃げ出した私は、アオイのお家で営業している定食屋さんにて、甘露寺さんとお話していた。
「煉獄先生の事、もう学校でまともに見れません……!!!」
だって、だって……!!!
煉獄先生があんなにかっこいいなんて知らなかったんだもん!
そりゃあ、剣道部の顧問だって事も知ってたし、クラスの女の子が煉獄先生に恋してるって言うのも噂に聞いてた…。
私だって社会係で煉獄先生と話したりする機会は何回かあった……!!!
でも…!!あんなにカッコイイ人だなんて知らなかった…!
寄りかかった時に感じた厚い胸板と逞しい腕は、間違いなく鍛えられたもの。
顔を上げれば、端正な顔立ちをした先生が私をじっと見詰めていた。
あれはもう惚れるしかない。
(けど、なんだろう。この気持ち、初めてじゃないような……。)
恋をしたのなんて生まれてはじめて。
けれど、不思議と初めてじゃないような気がした。
("ずっと前"から…煉獄先生の事が……??)
「舞ちゃん、舞ちゃん、駅前にね?美味しいパンケーキのカフェがあるの!これから一緒に行かない?」
「行きます!!」