第13章 Dreamcatcher 【??×社会人夢主】
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どこまでも続く満天の星はあまりにも私の心と乖離していて、どうしようもなく冷たく見える。
落ち着けるはずの綺麗な景色も、寒々しい夜にしか感じない。私はよれた仕事着と化粧のまま夢の中にいた。こんなの初めてだ。
「こんばんは~!!今夜も会え、」
思わず差し出された手を払ってしまった。
骨ばった手はあたたかくて、払った自分の左手も痛くて、私はその場にしゃがみ込む。
「…え…っどうしたの…?……泣いてるの?、」
「…っさわら、ないで」
自分がわからない。いつも助けてくれるのは彼女なのに、それが夢の中だけなことが、不確かすぎて、恐ろしくなって。
私は不意に、どろどろになった化粧のことを思い出しうつむいた。目線が合わなくなり、余計なことまで流れ出てしまう。
「そんなに私のことが心配なら出てきてよ!
なんで会えないのに、ほんとうはいないのに、なんでそんなに優しくするの?私虚しいよ。わたしが創ったあなたなら、言う通りにして…!!」
最悪だ。支離滅裂の八つ当たりだ。
夢の中のあなたに恋をする。都合のいいあなたに夢を見る。
「好きなの………」
彼女はぐっと氷を飲み込んだような顔をしたあと、私を抱きしめた。
きつく、跡がつきそうなくらい長い間。
痛くて熱い。
彼女の眼鏡が私の肩に擦れ、カチャリと音をたてる。私は彼女の頭に腕をまわして、髪の感触を確かめる。緑のマントの翼の刺繍を、黒い服にまとわりつくベルトを、なぞる。
少し体を離した彼女は口を動かすけれど、なにを言っているのか聞こえない。もう、いいから、