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あかいいと。【ハンジ・ゾエ/進撃の巨人】

第13章 Dreamcatcher 【??×社会人夢主】


私たちは他愛ないおしゃべりをし、恋人のように指を絡めたり、肩に寄りかかったりした。

どうしてか全然抵抗がなかったし、彼女も耳を赤らめ、ぎこちない仕草で私にふれてくれる。

奇妙な関係だとわかっていた。
ときどきとおくを見るような彼女の目線について、訊いてもこたえてくれないこともわかっていた。


でも、ただの夢なんでしょう?



「さあ、もうさよならだ。私はまたここで待ってるよ」

「……もうそんな時間?」

「残念だけどね」


そういって彼女は肩をすくめる。

行っておいで。

その声に抱きくるめられるような白い光があふれて、眩しさに耐えきれなくなって、私はいつも目が覚める。


今日も仕事だ。
あの人にいい報告ができるようにがんばらなくちゃ。存在しない、私の好きなひと。


イマジナリーフレンドってやつだろうかと考えたことがある。そんなにまずい域に達しているなら、カウンセリングを受けるべきなのでは、と。
それでも私はあの人を選んだ。今のこの状態がまずかったとして、それを救ってくれているのは間違いなく彼女だ。


当然のように消えた小舟を引き出しにしまう想像をした。
大丈夫。今日も頑張れる。









転落は予知できないもの。


よくわからない。わからないけど、社内で私を嫌っている人がいることは知っていた。
全員と気が合うなんてありえないと思っていたし、特に危害もなかったのでぼんやりしていた。馬鹿だった。


その同期が私の悪質な噂を流した。上司と寝たからプロジェクトに参加できた、とか、成績を改ざんした、とか、そんな突拍子もない噂。


幸いメンバーから外されることはなかったけれど、色んな人が私をそういう目で見るようになった。

本当に突然すぎて涙も出ない。でも、確実に心が擦り減っていくのを感じた。悔しい。どうかしてる…。



「…会いたい……」


帰るなりベッドに伏せた私は呟いて、鉛のような体が沈んでいくのを感じた。
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