• テキストサイズ

あかいいと。【ハンジ・ゾエ/進撃の巨人】

第9章 あなたとりんね 【転生現パロ】


____________________…




「やー、美味しかったね!はどう?」

「はい、とっても」

「よかった!また連れてくるよ」



私たちはハンジさんの選んだお店でパスタを食べた。
きっと私のためにたくさん調べてくれたのだろう。
デザートのメニューが豊富で、とか、これが人気みたいだよ、とか、私の緊張をやさしく解いてくれた。


私はなぜかハンジさんといると安心して、昨日、変な出会いをしたばかりとは思えないほど楽しんでしまったのだ。
……でも。


明朗に話し、料理にぱくつく彼女に、どうしても切り出せなかった。
顔が見られない。
微かな夢の残滓が、私の均衡を崩す。



「……大丈夫?」



ハンジさんが歩みを止めた。
いけない。このままじゃ何も解決しない。



「ごめん、やっぱりつまらないかな?昨日は本当に」

「ちっ違うんです!楽しいです。でも……あの」

「ん?」



ハンジさんが心配そうに顔を覗き込む。眼鏡の奥の瞳が私をとらえている。

ドッ、と汗が噴き出した。
血液が顔に集中する。どうして…。


うるさく鳴る心臓に気づかないふりをして、遠慮がちに私は尋ねた。



「おかしいと思うんですけど……。
私とハンジさん、知らない世界で一緒にいたことがありますか?」



こわごわ顔を上げると、何とも言えない表情のハンジさんがいた。
それは期待、歓喜、それとも困惑と侮蔑?


…突然何を言ってしまったんだろう。
私は急に恥ずかしくなって、撤回の言葉を紡ぐ。



「ごめんなさい!意味不明ですよねこんなの、忘れてください」



しかしハンジさんは、ちょっといいかいと私を誘導し、狭い路地裏で向き直る。



「えっと……どうしてそう思ったの?」
/ 71ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp