第9章 あなたとりんね 【転生現パロ】
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「!今月の壁外調査だけど……」
「その前にいい加減お風呂入ってくださいっ
モブリットさん、ハンジさん浴場まで連れてきてー!!」
「私たち…いつまでこうしていられるんでしょうか」
「さあ、どうだろうね。
でも絶対に貴女を離さないって約束する」
「ふふ、月並みですね……。大好きです、ハンジさん」
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ピピピ、とけたたましく震えるスマートフォン。
最後まで引き損ねたカーテンから漏れる朝日が、私をやさしく包んでいた。
「…んん、休みなのになんでアラーム、が」
つめたい。
指先で触れた頬が濡れている。
驚いて目を擦るも、ぼたぼたとこぼれる涙の粒たち。
「なんで…」
わからない。なにか懐かしい夢を見ていた気がするのに。
断片的な記憶しかなく、それも儚いものだった。
砂が落ちるように海馬から消えて。
「そうだ、ハンジさんと会うんだ。ご飯を食べて、兵舎に帰……」
兵舎?
「それで、あしたはへきがいだから、はやく…ねむらなきゃ」
なんの話?
「わかんないわかんない。何、これ」
唇を撫でる言葉たちは、私を置き去りにして溶けていく。