第9章 あなたとりんね 【転生現パロ】
*院生ハンジさん×大学一年(名前)ちゃん
*加筆修正版
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「!撤退だ、早くこっちに…っ」
「わかってる!ハンジさん、早く行って!
すぐ追いつきます、だからお願い…!!」
・ ・ ・ ・ ・
「はぁ…っ」
蒸し暑い部屋で目が覚めた。
まただ。
物心ついた時からあった、凄惨な前世の記憶。
その世界では常に死と隣り合わせで、私は数えきれないほどの部下たちを見殺しにした。
恋仲であった人さえ守れずに。
今ではただの大学院生。
研究に追われ、それなりに充実した日々だ。
「…準備しなくちゃ」
、いつか会えたら何を話そうか。
私が謝っても、「ハンジさんが無事でよかった」なんて殊勝なことを言うのだろう。
起き抜けの気怠さを抱えつつ窓を開け、初夏の訪れを感じる。
涼やかな朝。
変わり映えしない一日が始まっていく。